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バカッパ

Author:バカッパ
作家志望40代の書評等日記のようなものです。

自作の小説については、「小説家になろう」サイトに掲載されておりますので、興味があれば是非!

作家としては山田風太郎先生を敬愛しています。その他、マンガ(古くは藤子不二雄・石森章太郎、キン肉マン、最近のモノまで)、ゲーム(ドラクエ・逆転裁判など)、プロレス(主にNOAHを応援しています)、特撮(ウルトラマン・仮面ライダー)などが好きです。

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2009/07/19 (Sun) 16:53
「忍法関ヶ原」

20090718221136.jpg
風太郎先生の「忍法関ヶ原」を読み終えた。忍法帖の短編集で、これで私は講談社の忍法帖全集は読破した事になります(それ以外も結構あって面白いんですが)。

では個別に感想等を。

「忍法関ヶ原」
 題名を見ると東軍と西軍の戦いに忍法が乱舞したかのような印象を受けるが、そうではなく、その裏で徳川方が鉄砲生産の要所である国友村をどう懐柔するかという話。服部半蔵秘蔵の忍者10名が、国友村の鉄砲鍛冶の要人である四人をどう陥落させるかが焦点となっており、そこに石田方の甲賀者も邪魔してくる。
 鉄砲鍛冶四名が一筋縄の行かない人物ばかりで、それを何とかしようとする伊賀者の奮闘が哀れを誘う。しかもラストの家康の言葉が一生懸命頑張っている忍者にはかなり重く残酷なもので、悲しい。現代のサラリーマン事情にも通じるものがある。
 普通に読めますが、風太郎作品としては、ちょっと物足りなさも感じる一作です。

「忍法天草灘」
 長崎のキリシタン信者を転ばそう(転宗させよう)という忍者の話。最後にキリシタンの懺悔が書かれているのだが、その内容が凄い。本当の資料なんだろうか。

「忍法甲州路」
 相手を眠らせる忍法に対抗する方法を編み出さんと苦心する剣士達。皆が吉原で遊女相手に技を閃くのが笑える。とはいえ、良いアイデアを思いつくのは、そんなちょっとした瞬間かもしれないと思わされ、説得力はある。ラスト、奥義を究めたが故に奥義に踊らされる辺りが何とも言えない気分になる。実際そんなもんかも知れない。

「忍法小塚ッ原」
 傑作だ。江戸時代の囚人の首切りを担当していた人間が主人公。その人間観察眼を読むだけで面白い上に(その辺りが風太郎先生の作品に説得力を与えているのだろう)、とある仕掛けで切った別の人間同士の首と胴を繋げてどのように再生するかを実験するという発想に脱帽。首と胴が変わった人間がまた面白く描かれている。ラストがちと安直で残念。

「忍法聖千姫」
 家康の孫娘にして、豊臣秀頼の妻であった、千姫を巡る話。とある剣士(話としては大阪の陣時の千姫救出に関連性のあるものです)が彼女の爪や髪等を喰らい、魔人化する。しかし最後には驚くべきものを見てしまい、あっさりと柳生の剣士に敗れてしまう。
 千姫の神格化というか究極の美とも言うべき形容がうまい作品。

「忍法ガラシャの棺」
 細川ガラシャを二面性ある人物として描いた作品。宣教師も彼女の魅力に負けそうになったりして、信仰を極めたとはいえ人間であることをまざまざと思い知らされる。

「忍法幻羅吊り」
 某忍者の里の系譜に繋がる者の復讐譚。5人の標的、個々のやられ方が滑稽でもあり、上手い書き方をしている。惜しげもなく面白いアイデアを投入する辺り、見習う必要がある。若干、今までの忍法帖の焼き直し的な感があるのは否めないか。

「忍法瞳録」
 眼球にビデオカメラのように映像を焼き付ける忍法の話。報告書の話と忍法で映った映像の話が食い違うところが上手い。読んだ人間は報告書の方を信じますからね。

「忍法死のうは一定」
 これは素晴らしい作品。風太郎忍法帖ではかなり上級の忍者に位置する、果心居士が登場し、信長に「女陰往生」なる幻法を披露する。この考え方が、夢野久作「ドグラ・マグラ」にも通じており、やはりアイデアを思いつく人間は思いつくのだと悟らされる。他の作品もそうなのだが、割と重要な事をさらりと使ってしまえるところが凄い。
 信長が今までの人生だけでなく未来までを見て思う事は・・・。秀吉が笑えます。

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