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2019/04/14 (Sun) 12:13
『お庭番地球を回る』

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山田風太郎『お庭番地球を回る』を読みました。忍法帖短編集もあと2冊で完読です。

以下、各作品の感想を。
『お庭番地球を回る』
江戸末期、ペリーの来航の影響を受けて、アメリカに渡る使節団の中に、元お庭番の外国奉行がいた。井伊大老からの命令で、彼は日本が恥をかかぬよう、風紀を守るよう奔走する。使節団がアメリカを回る様子を再現しながら、小事件を巧みに盛り込み、忍法帖の体を成している。井伊直弼暗殺による国情の変化が、最大の忍法と称されるオチが上手い。

『怪談厠鬼』
将軍に召された才女が、側妾達の意地悪により、将軍の前で漏らす失態をしてしまう。自殺した彼女の仇を討とうと許婚者が復讐に出る。それこそ便所を利用した復讐劇は壮絶にして、笑撃的である。

『さまよえる忍者』
伊賀組の食客・滝川右近はごく潰しのように思われながらも、代々伝わる術を極め、自らの魂を他人の身体に乗り移らせる忍法・傀儡精を会得する。時のNo2である田沼意知にまで乗り移った彼だが、最後は生々流転するハメに陥る。ある意味、不老不死的なオチは、皮肉に満ちていて、納得させられる。

『読淫術』
太平の世に至り、窮乏にあえぐ伊賀組と甲賀組。首領の服部百蔵が長年研究してきた、色事に纏わる忍法で内職するよう命じ、急場を凌ぐ。これにより、久々の隠密御用を命じられ事になり、内職に励んだ四人の若者は命を散らす。最後、大物の失脚劇を、小馬鹿にしたようなネタで書けるところが風太郎先生の凄さだと感じた。

『忍法死のうは一定』
信長が本能寺の変に至り、そこに現れた稀代の幻術師・果心居士の幻術「女陰往生」で生まれ変わろうとする。女性と交合する事で男を女の胎内に戻すという術で、それに際して自分の人生を再び見るというのだ。脱出には成功したが、これで未来まで見た信長は、大きな衝撃を受けるのだった。人間の人生観について語る部分が非常に面白い。後で気付きましたが、別作品に収録されており、過去に一度読んでいました。しかし、新鮮な感じがしました。

『怪異二挺根銃』
応仁の乱以後からの南部藩と津軽藩の争いを交えつつ、二本の男根を持つ怪忍者が登場する。この忍者は二本のバランスを保って身体の拍子を取るという剣の達人なのだが、その性質を逆手に取って倒すところが圧巻である。

『忍法金メダル作戦』
東京オリンピック前に、どうしたらメダル獲得出来るか、風太郎流の考察を綴ったエッセイ。屁を利用したり、鼻を伸ばしたり、汗をダラダラ流したり、あまりにバカバカしいアイデアの数々で、当時、これを現実の代表選手に当てはめて書いていたというのが凄い。

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