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Author:バカッパ
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2018/12/02 (Sun) 15:21
『秘戯書争奪』

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山田風太郎『秘戯書争奪』を読んだ。これもまた長らく探すのに苦労していた一作で、図書館を漁ってようやく発見して読めました。

江戸13代将軍家定の陰萎を解消し、世嗣ぎを作らんと、奥医師・多紀法印の秘策にて、古来より宮中に伝わる奇書『医心方』を手に入れんと動きが起こる。法印の甥・丹波陽馬と甲賀のくノ一が秘書奪取を命ぜられ、京に赴くが、彼の恋人・雪羽が実は秘書を所持する半井家の娘で、彼女と伊賀者がそれを死守せんと逃避行を始める。ここに伊賀・甲賀の壮絶な秘書争奪戦が繰り広げられる。

『医心方』の『房内篇』に性的な技術・医術の全てが書かれており、それを将軍に応用しようという試みなのだが、争奪戦の中で伊賀者が「甲賀くノ一にその技を試してから殺す」という方針になり、風太郎作品らしい怪しい展開となる。『房内篇』の技を試みた後、凄惨な殺し合いとなり、忍者は次々と倒れて行くのだが、特に途中、剣豪忍者の狩川仁右衛門と陽馬の対決場面は度を越しており、思わず笑ってしまう。剣技に絶対の自信を持つ仁右衛門は、何と全裸でくノ一と交わったまま陽馬と対峙するのだ。こんな思い付きをする発想には脱帽せざるを得ない。

本書でもう一点印象的だったのは、わが新潟県を通過していく過程が描かれている事だ。争奪戦の面々が、親不知子不知から糸魚川、柏崎、小千谷、そして湯沢の辺りを通っていく様は、非常に親近感を覚えた。

ラストは忍法を逆用したかのような見事な雪羽の機転で、これもまた風太郎先生らしい。締めが森鴎外の『澀江抽斎』の一部を引用しているのもまた見事。

期待に違わぬ一作でした。





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