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2018/10/14 (Sun) 17:54
『くの一死ににゆく』

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山田風太郎『くノ一死ににゆく』を読みました。

風太郎先生の作品の中でも、このちくま文庫の『忍法帖短編全集』はいつの間にか絶版になっていて、買い損ねて大ショックを受けていたのですが、近くの図書館にあったので、一躍借りて来ました。

全般的に忍法帖の長編に比べると、若干の物足りなさはありますが、それでも切れ味の良い短編が数編収められており、やはり読めて良かったです。もう6冊ほど未読のものがあるので、図書館利用するつもりです。

各作品の感想等は以下のとおり。
『捧げつつ試合』
任務に失敗した男忍者の精子が蓄えられた男根を運ぶ女忍者の悲哀。任務のために私情を捨てねばならない、忍びの掟に翻弄される女忍者が哀れです。

『濡れ仏試合』
二重に命を受けた忍者の苦悩。性交した女性を色狂いさせてしまう体質の忍者が、恋する女性を救うために策を弄するが、意外な結果に終わってしまう。

『逆艪試合』
背を向けた怪しい剣術を使う無法者が小野道場や柳生を脅かす。試合をすることになった柳生の跡取りを助けるため、恋仲の男が動く。背面剣法を封じる策が実に面白い。

『膜試合』
大岡越前に「一族の若い女を犯しているだろう」とたしなめられる伊賀の統領。「処女膜を収集して、交わった相手を殺す術を編み出している」という言い訳を皮切りに、伊賀の若者が悲惨な目に遭う。最後は術そのものがあったのかなかったのか、読者まではぐらかされます。

『かまきり試合』
各地の浪人者が実は忍者で、1年を掛けて長の娘の婿となる者を選別していた。そんな事は知らず、付いてきた女が無残に殺されてしまう。1年を掛けたトーナメントのような形式は長編にも使えそうで、面白いアイデアだと感じた。

『麺棒試合』
平賀源内の発案で忍法者の掛け合わせが提案され、伊賀・甲賀の跡取りの男女が無理矢理結び付けさせられる。双方意地があり、どちらかが恥をかかされ死ぬことに。創作でしょうが、昔はこういう物好きの思い付きで命を散らした例もあったのかな、と思いました。

『つばくろ試合』
明の遺臣・鄭成功が江戸幕府に助けを求めてくる。その中で使者である鄭成功の妹が、人間の病を吸って取り除いてしまうという噂があり、病に伏せる将軍・家光のため、幕閣は援軍を受けるか二つに割れる。その真偽を探るため、智慧伊豆の命を受けて尾張柳生の四男らが動く。それを妨害せんと紀州藩に命じられた根来者が襲い来る。最後が風太郎先生らしいどんでん返しで締めくくられ、さすがの一作です。

『摸牌試合』
家康の実子・結城秀康の謀反を防がんと、監視役に老甲賀忍者が越前に派遣される。そこで老忍者は秀康の男根に忍法を仕込んできたといい、その効果や内容を探るため、伊賀のくノ一が放たれる。ラストがバカバカしい感じで、これもまた風太郎先生らしい作品です。

『絵物語 忍者石川五右衛門』
既読ですが、ボーナストラックで絵物語が付いています。



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