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バカッパ

Author:バカッパ
作家志望40代の書評等日記のようなものです。

自作の小説については、「小説家になろう」サイトに掲載されておりますので、興味があれば是非!

作家としては山田風太郎先生を敬愛しています。その他、マンガ(古くは藤子不二雄・石森章太郎、キン肉マン、最近のモノまで)、ゲーム(ドラクエ・逆転裁判など)、プロレス(主にNOAHを応援しています)、特撮(ウルトラマン・仮面ライダー)などが好きです。

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2015/12/23 (Wed) 12:09
『夜よりほかに聴くものもなし』

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山田風太郎先生のミステリー傑作選『夜よりほかに聴くものもなし』を読みました。

風太郎先生のミステリー作品の中でも「サスペンス篇」と銘打って出されているものですが、各作品の感想等を。

『鬼さんこちら』
警察が妻殺しの犯人を半ば偶然に追い込んでいく話。死体検分を何度もさせられたらそりゃ参りますな。半分、ギャグみたいな感じです。

『目撃者』
純真な子供が事件の目撃者になったが故に、無実の者が追い込まれる話。冤罪的でかわいそうな感もあるが、こんな事もあるのかな~と思わせられる。

『あし音』
新聞報道に追い込まれる殺人者。これまた善良な男(読み進めていくとそうでもないのだが)が悲惨な目に遭う話で、少し救いがない感じがする。風太郎先生に何か思う所があったのだろうか。

『とんずら』
戦後間もない頃、売春婦に金をだまし取られた男が再度騙される。ラストのアイデアはありそうでなかなかないかも。

『飛ばない風船』
恋人を殺害しようとする男の心理を描いた珍作。完全犯罪のように見せかけて、お間抜けな形で捕まるところが笑えます。

『知らない顔』
凶悪犯人と同じ人相をしていると言われた男の悲喜劇。変身願望で犯人になり切ったりする辺りは面白い。そして実際に犯人が絡んでいたというラストもまた上手い。

『不死鳥』
不気味な老教授を誰が殺したか、というのを幾つかの視点で描いた作品。「女は怖い」というのが上手く描かれています。

『ノイローゼ』
これも誰が妻の元夫を殺したのか、というのを回想や述懐で描いた作品。他の作品もそうだが、「殺してやる」と思ったけど、実は思いとどまった、みたいな展開から、別の犯人が出てくる。

『動機』
重役の娘と結婚した男が、誰にも気づかれずに動機を膨らませ、妻を殺害する。が、同じような動機を持った先人がいて……。

『吹雪心中』
ふとしたことで不倫関係に陥った男女が吹雪で帰れなくなる話。最初、再燃した恋のような描き方をしておきながら、吹雪が続いたため、戻れない焦りや空腹から人間のあさましい本性が浮き出てくるのは秀逸です。

『環』
色々な人間の利害関係が絡み、子供が事故に遭ったり、ホステスが殺害される。発端は実に下らない事だったりするのが何とも言えない。

『寝台物語』
昔の貴賤が逆転し、憧れていた主人の娘を手に入れんとする弁護士。そこへ「ホウ…ホウ…ホウ…」と鳴くような音を立てる鶯の寝台が絡む。ちよっとホラーに近い、幻想的な作品です。

『夜よりほかに聴くものもなし』
表題作。定年間近の老刑事が、やるせない事件の犯人を捕まえる連作短編。犯人に同情しつつも、やはり刑事としての勤めを果たす主人公は哀愁漂う感じがします。また、それぞれの事件は社会への批判めいた感もあり、それを刑事小説に落とし込んでる上手さを感じます。




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