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バカッパ

Author:バカッパ
作家志望40代の書評等日記のようなものです。

自作の小説については、「小説家になろう」サイトに掲載されておりますので、興味があれば是非!

作家としては山田風太郎先生を敬愛しています。その他、マンガ(古くは藤子不二雄・石森章太郎、キン肉マン、最近のモノまで)、ゲーム(ドラクエ・逆転裁判など)、プロレス(主にNOAHを応援しています)、特撮(ウルトラマン・仮面ライダー)などが好きです。

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2013/01/20 (Sun) 23:36
『地の果ての獄』

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山田風太郎の明治物、『地の果ての獄』上下巻を読み終えた。

表題作の『地の果ての獄』自体は昨年中に読み終えてましたが、下巻収録の中編を読み終えるのに時間が掛かりました。どれもなかなかに読み応えがありました。

では、作品ごとの感想を。

『地の果ての獄』
後に「愛の典獄」と呼ばれる、有馬四郎助の樺戸集治監時代を描いた長編。勿論、その若き日々は風太郎先生の創作で、看守である四郎助が、風変わりな囚人や周囲の人達と織りなす様々な出来事が目を引く。お得意の連作短編的な造りになっており、それぞれの短編が最後に関わりを持ったりする構成は見事。また、若干、都合が良い感じもするが、とある人物の正体などは驚かされた。

『明治十手架』の主人公、原胤昭なども登場し、その人間的魅力を上手く表現している。囚人にキリスト教を説き、囚人がそれに心酔するのも納得がいく。

また明治初期の北海道の様子についても詳しく描かれており、勉強になった。

それと、風太郎先生は別れの余韻を残すような描き方が上手ですね。「二度と会う事はなかった」みたいな場面の描かれ方が素晴らしいです。


『斬奸状は馬車に乗って』
初々しい青年の恋と、秩父事件を絡ませている。高利貸や「燈籠大尽」と呼ばれた司法次官などが登場し、世の中を悪しき状態にしているのは誰なのか、を問うている。明治の頃などは時代の混沌に振り回された人間が多かったのだと改めて実感させられる。


『東京南町奉行』
明治期における、「天保の妖怪」鳥居耀蔵の様子を描いた作品。以前、別の本に収録されていたので読了済。


『首の座』
「死を前にした時は誰もが往生際が悪くなる」という事を思い知らせてくれる作品。切支丹を転ばせたり(棄教させたり)、佐賀の乱が絡んで来たり、なかなか読み応えがありました。


『切腹禁止令』
切腹における様々な不条理場面を見てきた主人公・小野清五郎が、明治に入って公議人として「切腹禁止令」を提案する様を描いている。風太郎先生は、「性」や「死」を滑稽に描くのが上手で、主人公の不可思議な勃起や、馬鹿馬鹿しいまでの切腹の無意味さなどが表現されている。


『おれは不知火』
傑物・佐久間象山の暗殺から、その息子・恪二郎の敵討ちや、殺害者の河上彦斎の様子が描かれている。彦斎の異常な強さの描き方が秀逸。偉大なる父を持った恪二郎の生き方への苦悩や、彦斎が攘夷を譲らず殺されるなど、他作品同様、明治初期の思想的な混沌が伝わってくる。


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