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バカッパ

Author:バカッパ
作家志望30代の書評等日記のようなものです。

自作の小説については、「小説家になろう」サイトに掲載されておりますので、興味があれば是非!

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2019/02/24 (Sun) 20:24
あいみょん『ほろ酔い』を歌う親父

また友人が歌動画を挙げたので、少しでも拡散お手伝い(笑)




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2019/02/16 (Sat) 19:47
『忍法聖千姫』

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山田風太郎『忍法聖千姫』を読破。

図書館で借りている忍法帖短編全集もあと2冊まで来ました。

『忍法聖千姫』
表題作。別の作品に所収の為、既読。千姫の身体から出たものを食す事で、魔人的な力を得るという設定がおぞましく凄まじい。

『忍法ガラシャの棺』
関ケ原前の細川ガラシャを扱った一作。キリスト教に傾倒したガラシャだが、実は二重人格であったという話。明智光秀の娘にして、細川忠興の妻となった彼女だが、数奇な運命を辿るうち、悪の感情も芽生えていたという。とある忍者が現れ、それを分離させて、有事の際に聖女の方を助けるという策を立てるが……。人が変わってしまうという恐ろしさと、ジキルとハイドをもじった鴫留盃堂(しぎるはいどう)という忍者の名前が笑える。

『忍法とりかえばや』
服部家で行われた選抜試験で最後の四人に残った主人公・茨木丈馬。統領の娘婿選びと読み、張り切った彼だが、トップの点数であるものの全ての項目が平均点で、参謀格の後継者に指名されてしまう。そのお陰で、肉体の突出部分を取り換える事の出来る忍法とりかえばやを受け継ぐが、統領の娘を諦めきれない彼は、任務にかこつけて他の候補者を葬り、彼らの優秀な部分を奪い、目的を達しようとする。だが、その結果は皮肉なものに……。男根なんかも大きければ良いというものではない、という発想が面白い。

『忍法幻羅吊り』
吉原の遊女屋で客を取らない奇妙な女・小式部がいた。彼女は他の遊女に男を蕩かすような技を仕込んだり、情報通であることから、客を取らなくても重宝されていた。ある時、彼女が五人の遊女に好きな男が自分に会いに来るというまじないを教える。月経時に手洗いで好きな男の男根を思い浮かべ、その幻の男根を小式部の用意した紙縒りで吊り上げると、男がやってくるというのだが、その術には壮大な復讐劇があった。後半は復讐される男達の描写になるが、凄惨な中にも(男根が突然引っ張られる為)馬鹿げた死に方をしていて、風太郎先生らしい。

『忍法穴ひとつ』
柳生家の一人娘に二人の婿候補が現れ、その一人が宮本武蔵の子孫だということでかなりの豪傑の上、倒した相手に小便を掛けるという不作法で猛威を振るう。伊賀組の江袋平九郎は、男根から精汁を三メートルも飛ばす奇策を見せ付け、これを退けるが、野望を胸に秘めた彼はそのまま柳生家の婿に収まろうとする。伊賀組の統領の娘はそれを防ごうと、彼に術を仕掛け、見事に男性機能を封じてしまう。馬鹿げた男根自慢が笑える一作。

『忍法瞳録』
服部半蔵の報告書形式で、志摩藩の十鬼一党に伝わる瞳録という忍法の謎を解こうという話。眼球に映像や動画を残すという瞳録の秘密を探るのに、報告書の相手が本多上野介から松平伊豆守まで変わっていくなど、時間が掛かっている様子を見せるのが上手い。

『忍法阿呆宮』
お庭番衆の味方の監視役として、口を割りそうな者の殺害を担当している扇谷源三郎。彼は任務を終えると、女をむさぼり抱いていた。お庭番の首領の娘に言われた彼は、苦楽を絶つ修業を始める。すると、女を抱いても感じないようになってしまう。そんな中、大奥の女を犯して、多くの女を孕ませろという指令が出る。それは皮肉な結末を迎えてしまう。最後の死に方が凄絶だ。

『首斬り浅右衛門』
おまけ収録のエッセイ。風太郎先生の先祖について語られているようだが、どうも作り話らしい(本当の子孫から問い合わせが来たとか(笑))。



2019/02/16 (Sat) 19:33
駅で『なごり雪』のサラリーマン

友人の動画です。少し危ない雰囲気ありますが、宣伝の為載せます。

ちなみに決して私ではありません(笑)




2019/02/11 (Mon) 17:11
『武蔵忍法旅』

musasininnpoutabi.jpg

山田風太郎『武蔵忍法旅』を読んだ。そろそろ図書館で借りている、忍法帖短編全集の読破も見えてきました。

では、各作品の感想を。
『武蔵忍法旅』
武蔵が世に出るまでを風太郎流解釈で描いた一作。傾城屋で、女を抱きながら漏らさない事で、精臭を漂わせながらも野獣の如き強さを誇る武蔵。彼の身勝手さなども描きながら、ライバル小次郎も現れ、剣の道を極めんとする様は凄まじい。最後に己れの煩悩を断ち切ってしまうのも、武蔵ならやりそう。

『おちゃちゃ忍法腹』
秀吉の朝鮮出兵時の話。石田三成が流れ着いた朝鮮忍者(?)を用いようとするが、彼は意に反して秀吉が捕らえた朝鮮の女を殺害する。その余波は淀君まで及ぶが、彼女の恐ろしさが発揮される。秀頼の誕生にまで疑惑を生じさせるあたり、恐るべき想像力である。

『刑部忍法陣』
関ケ原前の大谷吉継に纏わる話。真田幸村の正妻はこの大谷吉継の娘なのだが、その縁で猿飛佐助が西軍に付くよう勧誘に来る。真田の策略に嵌まり(佐助の術による)、西軍に付かざるを得なくなる吉継。病を患いながら、裏切りを噂される小早川秀秋の下へ説得に行くが、ここでまた真田の忍術が絡む。忍者が活躍する忍法帖らしい一編。

『近衛忍法暦』
アメリカと開戦しそうな頃の近衛文麿の様子から物語は始まる。ぬらりひょんなる妖怪を巡り、現代と過去の様子が描かれる。過去の方では家康が秀吉の嫌疑をかわそうとする様が面白い。石川数正の出奔なども、裏があったように書かれている。

『彦左衛門忍法盥』
江戸の旗本奴を題材にした一編。昔気質の武士からすると、軟弱・薄弱の感がある彼らに、大久保彦左衛門が説教を垂れる。そこに由井正雪や森宗意軒が絡み、忍法により、威張っている彦左衛門が実は腰抜けだった事を見せ付ける。しかし、その効果は彼らの意図するところとは別の方向へ向かう事となる。

『ガリヴァー忍法島』
江戸時代の長崎絡みでガリヴァーなる西洋人が出てくるのだが、何故かそこに忠臣蔵の堀部安兵衛などが登場するのが風太郎先生らしい。昔の有名海賊が日本に来たという設定で、かつガリヴァーの正体まで含めて、奇想天外な一作。宝のありかを示す暗号が、ポーの『黄金虫』に絡んでいるらしく、風太郎先生の造詣の深さがうかがわれる。

『”忍法小説”はなぜうけるか』
忍法帖に関する風太郎先生によるエッセイ。考察が少しひねくれている感があるのが面白い。


2019/02/02 (Sat) 12:08
『くの一忍法勝負』

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山田風太郎『くの一忍法勝負』を読みました。

これも絶版になってしまった忍法帖の短編で、また図書館で借りました。『甲賀忍法帖』を漫画化した『バジリスク』のせがわまさきが、巻末に解説と絵を書いていて、なかなかいいです。

では各作品の感想を。
『倒の忍法帖』
六男・忠輝の越後での行状に手を焼いた徳川家康が、伊賀の忍者とくノ一を送り込む。しかし、伊藤一刀斎直伝の『無刀の極意』の前に妖艶なくノ一も武芸達者な忍者も次々に敗れて行く。最後、くノ一の指導者が己の妻を用い、とある忍法にて忠輝の勇猛さを鎮めてしまうのだが、これが晩年忠輝が大人しかったという史実に結び付けられるあたり、風太郎先生らしい虚実入り混ぜの描き方と言える。
また、越後が舞台なので、新潟者にとっては馴染の地名等出て来て興味深かった。

『叛の忍法帖』
本能寺の変の裏で四人の忍者の暗躍があったという作品。羽柴・徳川・毛利・明智の四者がそれぞれ送り込んだ忍者が勝ったり負けたりになりつつ、最後に一堂に会して決戦する様は複数の人物を動かす作品の参考になります。

『虫の忍法帖』
死罪を命じられた関白秀次は、精虫を蓄えて次に交わった男に送り込める忍法を持つくノ一に己れの精子を託す。そして、淀君に己れの子を産ませようと画策するが、そこで色々と予想外の事態が生じ、精虫は別のところに運ばれてしまう。忍法小説ならではの奇想天外な発想だが、ある種納得させられるところが上手い。

『呂の忍法帖』
部下に愛妻の糞を食わせようとするような悪趣味の藩主が出てくるが、こういうギリギリの線を攻めて読ませようとするのが上手いと思わされる一作。この藩主が女に興味がないため、妖僧の術により、男女の肉体を数珠繋ぎにして、精力を回復させようと試みる。男女の尻と口を結びつけるような滑稽な術だが、世継ぎがないと取り潰しになるような時代だけに、あってもおかしくないと思わされるのが凄い。

『妻の忍法帖』
伊賀に婿入りした普通の下級旗本が、伊賀の修行にも飽きて、外の女に捌け口を求めようとする。これを知った妻が、公認の下で浮気させると言うのだが、それが夢うつつ状態で現実の如く交合したり、身体を別の者と入れ替えて浮気するという奇妙なもので、結局忍法修行に繋がっていた。元は『奥様は忍者』というタイトルだったそうな(笑)

『淫の忍法帖』
世継ぎがなく、取り潰しの危機を迎えていた有明藩で、側室と藩士五人を種付けさせようという謀議が企まれる。その際に禁欲を強いられた五人は、その前に好きな女と好きなだけ交わって良いと言われ、全員が同じ女を選び、輪姦する(ここが生々しい)。その女は彼らを監視する役を仰せつかった忍者の婚約者だった。彼は狂ってしまった婚約者を伴い、五人の性根を試すような真似をする。最後、藩は存続したものの、忍者は切り捨てられるという忍法帖らしい哀れな終焉を迎えるのが何とも物悲しい。

『絵物語 忍者撫子甚五郎』
既読の作品の絵物語版。



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